ピスタチオ

 

天気の良い土曜日には、公園の見えるバルコニーに、折りたたみの椅子を2つと、
小さなテーブルを出して、小さなラジカセで“Saturday In The Park”をかけよう。

僕はビールを飲みながら、ピスタチオを袋から出して、ぱちぱちっと皮を剥く。
君は僕の隣に座って、僕が皮を剥いたピスタチオをつまんで、ぱくっと食べる。

「このまま人生が終わればいいのにね」

と僕が言う。
君は、

「まだたくさんピスタチオが残ってるわ」 と言う。

・・・

部屋の中から漂ってくる夕飯のカレーの匂いで目が覚めた。

「あまりにも気持ちよさそうに眠っていたものだから」

椅子とテーブルとビールの空き缶を片付けながら、下の公園を見ると キャッチボールをしている親子の影が、
佐々木マキの挿絵のように長く伸びていた。

 

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